「本当にありがとう」—。フルマラソンに出場した森本千恵子さん(43)=大阪=は昨年の石垣島マラソン大会終了後に子宮頸(けい)がんを患い、2度の手術と3カ月の入院生活を経て、復帰戦となる今大会を完走、ゴール後には友人や知人への感謝の言葉を語った。大会アナウンスもゴール前に森本さんを紹介し、会場からは温かい拍手が送られた。
森本さんは10年ほど前からイベントのたびに石垣島に通うようになり、スキューバダイビングやトライアスロン、マラソンなどを通して石垣島の友人も増えてきた。
そんななか、昨年の石垣島マラソンから1週間後に病気が発覚。同2月から約3カ月間の入院生活となった。
闘病中は「もう走れないかもしれない」との思いもよぎったが、石垣関係者の便りに励まされたという。「たくさんの人たちに心配してもらったので、今日は石垣島の人たちに笑顔のゴールをみせようと走った」と満面の笑み。
「石垣島に帰ってきたい一心で(闘病生活を)頑張ることができた。目標を持って頑張れば必ずかなうと信じていた」と振り返る。記録は3時間52分9秒で、「前回とほとんど同じでびっくりした。医者も驚くと思う」と話した。
ゴール後には大会に参加していた石垣市内の友人が駆け付け、10㌔の高嶺美香子さん(54)は「石垣島に帰ってきて走ってくれると信じていた」、23㌔の槙原由里さん(36)は「フルマラソン完走だけでも大変なのに、復帰してすぐにこのタイムでゴールするなんてすごいとしか言えない」と森本さんの回復を喜んだ。