鮮魚の冷凍や冷蔵、製氷などを行うことができる海業(うみわざ)支援施設「くばざきの港家(はまや〜)」が20日、小浜島細崎地区で供用開始された。同施設の完成により、鮮魚の調理やかまぼこなどの商品製造、魚介類の販売、飲食店などの展開が可能となり、町では「地元での販売ルートを確立し、地産地消につなげてほしい」と期待している。
同施設は、1986年に整備した冷凍、冷蔵施設の老朽化に伴い、竹富町が県水産業構造改善推進事業を導入して整備。製氷設備や調理、加工室販売所、シャワー室などを備える。
今後は、刺し網漁をなど漁業体験メニューの創出などソフト面の取り組みも展開する予定。
建物は昨年5月に完成し、11月には新鮮な海産物を堪能する「くば丸市」を開くなど試験的に運用してきた。
運営は町が細崎公民館(野口定松館長)に委託しており、今後、指定管理手続きを行うことにしている。
同地区ではこれまで鮮魚のほとんどを島外へ出荷しており、輸送費などのコスト低減が課題。町は「(鮮魚としての出荷だけでなく)地元の民宿やホテルなどへ出荷するなど(同施設の)安定的な利用により、漁業者の所得増につながるのではないか」(野底忠農林水産課長)としている。
同日の供用開始式には関係者ら約30人が出席。川満栄長竹富町長と町議会の新博文議長、野口館長があいさつ。同施設で調理した魚の天ぷらやモズクのつくだ煮、アバサー(ハリセンボン)の空揚げなどが振る舞われた。