石垣市が2014年度から3年間に限定して開始した下水道接続費補助制度は、確保した予算額の3割しか活用されていないことが分かった。当初予算で計上した2150万円のうち、これまで補助したか補助する予定の額は660万円。接続率向上の対策になると期待されたが、下水道への理解が薄いのか、補助制度の周知不足なのか、市の予想に反して伸び悩んでいる。
宮良・白保、大浜・磯辺を対象とする農業集落排水事業は昨年4月から、市街地を範囲とする公共下水道事業は同年5月からそれぞれ補助制度を開始。合併浄化槽の世帯に5万円、単独浄化槽かくみ取り式の世帯に10万円を補助するもの。上限30万円の無利子貸付制度も併用できる。
むらづくり課によると、農村集落排水事業では750万円のうち27件260万円。下水道課によると、下水道事業では1400万円のうち40件400万円の実績(実施予定含む)があった。
下水道に接続した市民からは「ゴキブリがいなくなった。少なくなった」「においがなくなった」と効果を実感する声が寄せられる。
一方、下水道課がシルバー人材センターに委託して行っている個別普及促進訪問に対し、接続しない世帯からは「資金のメドがつかない」「接続する予定がない」との回答が多いという。
両課は「補助制度を活用する世帯が思ったより少ない。3年間の補助制度なのでぜひ活用してほしい」と呼びかけている。
農村集落排水事業の補助制度は、一般財源を充てているため、通年にわたって利用できるが、国の事業を導入している公共下水道の補助制度は市が補助金交付申請を行う必要があることから、1月までに接続工事を完了させることが利用の条件となっている。