与那国町議会(糸数健一議長)の臨時議会が8日午前に開かれ、与那国島への自衛隊基地建設の民意を問う住民投票について田里千代基氏ら野党系3氏が「無効投票」の文言を修正する一部改正案を提案し、3対2の賛成多数で原案可決された。本会議終了後、外間守吉町長は「このまま住民投票を執行すれば、大きな混乱を招く。1000歩ゆずって改正案を受け入れる」と述べ、再議に付さない考えを示した。今後、改正内容を告示することになる。
一方、今月25日の投票実施日については、外間町長が事務方の準備が間に合わない可能性があるとして「日程の変更を提案したい」との考えを示しており、流動的な要素を残している。これに田里氏は「条例がやっと正常な状態になった。一日も早く改正内容を告示し、住民投票をしっかり行ってもらいたい」と要望した。
今回、可決された改正内容は「無効投票」について「○の記号以外の事項を記載しないもの」と書かれている内容を「○の記号以外の事項を記載したもの」とするもの。改正前の文言だと、投票がすべて無効になる可能性があった。
同様の改正案は昨年12月19日の12月定例会でも提案。野党の賛成多数で可決されたが、外間町長が中学生や永住外国人への投票権付与などに疑問を呈して再議に付した。採決の結果、賛成は野党系の3人となり、再可決に必要な出席議員(6人)の3分の2となる4人に達せず、改正案が廃案となった経緯がある。