誕生、新入学、新成人、生年祝いの名前を載せませんかと島の新聞社が時期になると呼びかけている▼かつて田舎の新聞は、珠算検定、英語検定、入学、進学、新成人、生年祝いなど個人名(社会の潤滑剤)を満載することで紙面が作られていた。高校の合格者名簿は新聞社前でもいち早く掲示され、離島の読者からの電話での問い合わせにも快く応じて好評だった▼ところが2003年の個人情報保護法成立以来、入学、合格、成人、生年祝いなどめでたい情報さえもことごとくマル秘扱いにされ入手不能になった▼せめて、新入学、新成人、生年祝いの名簿だけでも提供してと関係機関に交渉してみたが扉は厚く閉ざされたまま。人気の高校合格者名簿も受験番号のみの提供になりニュースとしての扱いが難しく新聞掲載はその年から廃止された▼マル秘扱いは医師、看護師など国家資格の合格発表にも及んでいる。仕事を始めれば社会的地位が保証される資格だけに、名前と出身地程度なら公表してもいいのではないか▼去る10日に施行された秘密保護法が個人情報保護法同様、官僚の過敏過度な解釈でマル秘扱いが増え、国民の知る権利が侵害されるのではないかと疑われている。いわゆる「不都合な真実」隠しが始まるのではないかと。きょうは衆院選投票日。(仲間清隆)
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