オスプレイ配備に反対する県民大会実行委員会が昨年1月、普天間飛行場の県内移設断念も同時に求める全市町村長連名の建白書を作成する際、中山義隆市長は「県内移設の選択肢を否定するものではない」とする確認書を交わした上で署名していたことが分かった。
中山市長は当時、辺野古移設について地元の理解を前提に選択肢としてあり得るとの立場を示しており、確認書はこれに基づくもの。
中山市長は、建白書に「普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること」の文言が入っていたため、「私の考えに合わない」と拒否したが、再三の署名依頼に確認書を作成した上で署名した。
確認書は「石垣市長中山義隆は米軍普天間基地の移設について原則、県外への移設を理想とするものの、普天間基地の早期移設と周辺住民への危険性の除去を最優先と考えており、県内移設の選択肢を否定するものではない」とする内容。また事前の文言調整を十分に行うことも求めている。
確認書には中山市長、実行委員会事務局長の玉城義和氏、立会人として当時の県市長会会長で那覇市長の翁長雄志氏がそれぞれ署名押印。同年1月25日付で作成し、翁長氏らは同28日に安倍晋三首相に手渡している。
中山市長は3日、取材に対し、「オスプレイの強行配備に反対する内容の要請活動のはずだったが、要請書が建白書に変わり、なおかつ普天間の県内移設断念の文言が入っていたので署名できないと伝えた。41市町村長の署名押印をそろえたいと言われ、確認書をつくった。県内移設断念についてはオール沖縄ではなかった」と指摘した。