毎年のように死亡事故が起きている米原海岸の安全対策について、石垣市は海水浴場に指定して監視・救護体制を構築していく方針を固めた。今年8月12日、同海岸で遊泳中の観光客が死亡した事故を受け、関係課で事故防止検討会議を開催し、指定海水浴場にしていく方向性を確認。市議会で10日、大工嘉広消防長が砥板芳行氏の一般質問で報告した。
米原海岸は、地元住民や観光客に人気の海水浴場となっており、市指定となっている川平の底地ビーチより利用者が多い。一方、離岸流など危険箇所もあることから水難事故が多く、海水浴客の安全確保が課題となっているが、海水浴場として指定されていないため、監視員の配置がなく施設整備も不十分な状況となっている。
このため、市は、海水浴場の指定に伴う人員配置や施設整備で監視体制や救護体制を強化することにした。ただ、同海岸が約1㌔に及ぶため、市は範囲を限定して指定したい考えだが、指定範囲や指定時期はまだ決まっていない。
大得英信観光文化スポーツ局長は「指定について地域の皆さんの意見が分かれており、一部だけの指定に納得しない住民もいる。地域と話し合いをしながら、一部のエリアの指定が可能であれば、監視員やライフセーバーなどを配置して救護体制を構築していきたい」と答弁した。
砥板氏は「安全に遊泳できる全域を指定してもらいたい」と要望した。
このほか市は、消防の水上バイクの乗り入れができるよう海岸入り口へのスロープ設置を予定。すでに注意喚起の看板、AEDの設置、防災無線を活用した広報など安全対策をとっている。施設整備では、来年3月までにトイレを改修する。