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Channel: 八重山毎日新聞社
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大型クルーズ船、初寄港から17年 受け入れ態勢の強化、改善が課題

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1997年3月の初就航以降、定期的に寄港しているスタークルーズ社のクルーズ船。来年の就航も予定している=2013年3月30日

 1997年3月に台湾から石垣港に初就航して以降、定期的に寄港しているスタークルーズ社の大型クルーズ船は、10月30日で今期の寄港を終え、来期も就航を予定している。初寄港から17年。当初、地元の観光関連業者は多くの外国人観光客に戸惑いつつ対応していたが、今では「乗客のリピーターも増えて多くの人が来店してくれる」と歓迎、外国人観光客の購買意欲を高めるような取り組みを要望する。代理店からはハード面の課題を指摘する声が挙がっている。(砂川孫優記者)

■約4万5000人がクルーズ船で来島

 クルーズ船の就航で八重山への外国人観光客が右肩上がりに増加し、市観光文化課によると、2013年に寄港回数は56回で過去最多の8万3923人を送客した。

 県八重山事務所によると、昨年の外国人観光客は8万9827人で過去最多を記録。今年(1~7月期)はすでに昨年を上回る9万7327人が訪れており、そのうち4万4944人がスター社のクルーズ船で来島している。

■市街地全体の取り組みを

 就航当時の状況について市公設市場内で鮮魚店を営む久場トシ子さん(86)は「異国からの来島に市内のお土産店や飲食店の従業員は冷ややかだったのが印象に残っている」と振り返りつつ、「こちらからしっかり接客すれば客は来る。今ではリピーターも増えて友だち感覚。言葉も理解できるようになった」と笑顔をみせる。

 中心市街地でお土産品店を経営する永山恵子さん(60)は「クルーズ船利用客の来島で経済は活性化し、今では重要なお客さん。市街地全体で外国人観光客の購買意欲をかき立てるような仕組みがほしい」と要望する。

 市観光文化課観光推進班の西銘基恭班長は、クルーズ船の受け入れで市民の外国人観光客に対する姿勢やサービスが変わってきたと分析、「(市民の)接客の質が向上したことでリピーターの獲得につながっている。今後も継続就航を視野に入れ、通訳や新たな観光資源の開発に力を入れたい」と意欲を示す。

 一方、㈲沖縄シップスエージェンシーの松田新一郎支店長は「新港地区への港湾整備や両替所の対応、税関や入管検査がスムーズになった」と評価する一方、「行政側は新しい港の完成までに、現状の石垣港を快適に利用できるようにするなど、受け入れ態勢の強化と改善に力を入れてほしい」と訴えている。


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