石垣市議選(定数22、7日投開票)に立候補している29人に、八重山毎日新聞社が告示前に自衛隊配備に関するアンケートを行ったところ、9人が賛成(条件付き含む)、12人が反対と回答した。「反対」が「賛成」を上回ったが、8人が「配備計画が決まっておらず、答えられない」などとして賛否の表明を保留しており、配備計画が具体化した場合の対応が注目される。住民を二分する事態に発展しかねない問題だけに、慎重に対応しようという姿勢がうかがえた。
現市政に対し原則支持の与党系16人のうち、7人が賛成(条件付き3人含む)、公明の2人が反対、7人が賛否を保留と回答した。野党系9人は全員が反対。中立系4人は、2人が条件付き賛成、1人が反対、1人が保留とした。
賛成と回答した候補者は「先島周辺の安全保障環境が厳しい」「尖閣近海での中国に対する抑止力」「島嶼(しょ)防衛体制の整備」などと理由を説明。尖閣諸島をめぐり、領海侵犯や領空侵犯を繰り返す中国の動きを警戒し、国境離島の安全保障体制の構築を求めている。
条件付きで賛成した候補者は「市民に説明し、理解を得るべき」「市民の合意形成が大前提」と住民合意が前提としたほか、条件として災害時の救助・復旧活動や緊急医療体制の構築を求める意見をつけた。
賛否を保留した候補者は「国が考えること」「国防は国の専権事項」「打診もない」として賛否を明らかにせず、「配備の是非は住民投票も含め、住民で議論すべき」「住民投票も選択肢の一つ」「住民投票を含めて地域住民で議論すべき」と民意を重視する考えもあった。
反対派は「観光の島に自衛隊はいらない」「軍備増強は緊張をさらに高める」「標的の島にはなりたくない」などと、自衛隊配備で逆に危険性が高まるとの認識が多かった。「国境の島として市民交流を図る」「経済交流を推進すべきだ」「外交努力を優先すべき」などと交流や外交で解決すべきだと主張した。
自衛隊の配備をめぐっては、海洋進出を活発化させる中国を念頭に防衛省が昨年12月に策定した新たな防衛大綱で鹿児島から沖縄につらなる南西諸島の島嶼防衛重視を掲げた。
これに伴い、防衛省は奄美大島に陸上自衛隊の部隊を配備する方針を決め、宮古島と石垣島への配備も検討している。