竹富町議会の百条委員会(宮良用範委員長、委員7人)は、22日午前に開かれた町議会臨時会の最終本会議で「専決処分の2012年度一般会計補正予算」について「遡及(そきゅう)決裁」が行われたと報告。賛成多数(賛成7、反対3)で可決した。公文書偽造などによる告発はないが、報告書では「刑法や補助金等予算執行の適正化に関する法律に抵触しているおそれがある」と指摘しており、補助金返還の有無が今後の焦点となりそうだ。
百条委の報告を受け、川満栄長町長は報道陣の取材に応じたが遡及決裁についての言及は避け、「訂正したと言うことだけでノーコメントとさせてほしい」と述べるに留めた。
証言の訂正については、百条委調査後に当局も独自に内部調査を実施し、遡及決裁があったことが確認できたため、資料の訂正などを申し出たという。
川満町長は問題となっている決裁書への押印は認めたが「職員を信頼して仕事をしているので違法性の認識は全くゼロだった。今もどうなのかと言うと、判断に戸惑っている」と、違法性の認識がなかったことを強調した。遡及決裁が行われた理由については「(内部調査では)確認していない」とし、「原因の究明も当然必要になってくる。再発防止策は講じているので原因の究明も含めて検討したい」と原因究明と再発防止に取り組む考えを示した。
百条委を設置した町議会の野党系会派「竹富町未来を考える末広の会」の新田長男会長は「公文書を偽造していたことについては確認できたが、告発すると職員も巻き込まれかねない」と述べ、職員を擁護する観点から告発決議を見送ったことを説明した。
専決処分を行った補正予算について当局は12年度末の13年3月31日までに明許繰り越し手続きを行ったとしていたが、野党系町議らは13年度(13年4月)に入り、当局が実際には手続きを行っていなかったことを把握。日付を12年度内に偽造して決裁したとみて、同委員会を設置し、調査を進めてきた。