石垣市が手続きを進めている農用地利用計画の一部変更案に、リゾートホテル用地に変更するための除外が3件入っていることが分かった。桴海、川平、桃里(伊野田)で建設が計画されているリゾート施設で、いずれの地域も市が昨年8月に策定した土地保全・利活用計画で「利活用が求められる場所」と位置づけられている。市は農振除外でリゾート建設を促進し、宿泊施設の充実を図りたい考えだ。
桴海地区では5万5640平方㍍(うち農用地区域5万4851平方㍍)にリゾートホテル・温泉施設、川平地区では8万5852平方㍍(同8万5150平方㍍)にリゾートホテル、桃里地区でも5万181平方㍍(同3万2000平方㍍)にリゾートホテルが計画されており、農用地区域にかかる土地が市の一部変更案に盛り込まれている。
このうち東京都内の民間企業が計画する温泉付きリゾートは2008年度の一部変更の際にも企業側から除外申請があり、市は「温泉を確保し、石垣島の素晴らしい自然と調和を目指す宿泊施設で、石垣島では初めての計画。観光客や市民にも利用できる施設」などとして県に事前協議を申し入れたが、農家住宅や公用・公共用施設などに限る一部変更の要件に合致しないとして認められなかった経緯がある。
今回、市は土地保全・利活用計画で、開発需要の高い温泉リゾートなど3カ所を土地の利活用が求められる場所と位置づけ、具体的に地番や面積を資料として付けた。農振除外など土地利用に関する計画の見直しに際して利活用計画との整合性を図ることとしており、今回の一部変更案はこれに沿ったものとなっている。
また、市は、前回の一部変更手続きの事前協議の際、県から指摘のあった温泉水の排水問題についても対応。水産課によると、浦底湾で水産研究を行う研究機関と企業を交えた3者で調整会議を開き、温泉水の排水処理を浸透池で行うこととしたほか、施設完成後も3~5年間は継続した水質・生物のモニタリング調査を行うことにしているという。
3件のリゾート計画について中山義隆市長は「新空港の開港以降、入域客が堅調に伸びる中、宿泊施設の整備が求められている。質の高いリゾート施設ができれば、石垣の観光をさらに伸ばすことができる」と話している。