2011年11月から静岡県沼津市の沼津港深海水族館に預けられ、飼育されてきた石垣島のサンゴ8個体が1日、“里帰り”した。長さ5~7㌢だったサンゴは25㌢ほどに成長、八重山漁業協同組合観賞用漁業部会サンゴ養殖研究班が運営するわくわくサンゴ石垣島センター=石垣市平得=で飼育された後、今年の台風シーズンが終わるのを待って、同漁協が設定した養殖海域に移植されることになっている。
同水族館は石垣島から預かった別のサンゴを現在も飼育中。塩崎洋隆飼育長は「今後もサンゴを増やし、大きく育ったものを返していきたい」と話し、“里帰り”の活動を今後も続ける考え。
同研究班は「サンゴはオニヒトデや白化の被害でダメージを受けることがある。種の保存の点で同水族館での飼育は有意義」としている。
同水族館は11年12月のオープンに合わせて「一人でも多くの人にサンゴの保護について考えてもらいたい」と同班から石垣島のサンゴ50個体を預かり、同館内の水槽で飼育しながら展示してきた。
同センターは6月中旬にオープン。同水族館側からサンゴを受け入れる設備が整ったことから、今回の“里帰り”が実現した。
今後は小学校の授業などでサンゴの養殖を教える際に教材として生かすことも考えているという。
この日は、コエダミドリイシとヤングミドリイシの2種類8個体が運ばれ、見学に訪れた石垣市子どもセンターの子どもたちが歓声を上げた。