生活の中から消えそうな「すまむに」(方言)を継承しようと市文化協会が4年前から取り組む「すまむにを話す大会」を聞きに出かけた▼小学1年生から80代まで6人が各地域の方言で昔話などを紹介。原稿の訳文を追いながら使い方を確認したり「へー、桃太郎はトームンタルと言うんだ」と、悲しいかな英語と一緒で学ぶ言語になっている気がした▼最優秀賞の東大浜剛さんは、母親から受け継いだ方言の良さを伝え広めようと自身のブログ「スマムニ広め隊」を立ち上げ発信し「多くの島の若い人々に読んでほしい」と訴えた▼方言を風化させるなというのが多くの思い。本来なら家庭や地域で積極的に使い子どもたちの耳に入れることだが、話せる人が親自身も祖父母世代でも危うくなっている▼言葉は話さないと衰退すると専門家は警鐘を鳴らす。方言紙芝居やDVDなどを学校の授業に取り入れるほか、もっと斬新なアイデアがないものだろうか。どこかフランス語にも似ている響きのエーマむに(八重山方言)も数年もすると聞かれなくなるのかなぁ▼使うようにしなければと思うのだが目上の方の前では使うのをためらう。間違ってないか気になり結局標準語になってしまう。まずは片言でも話すことで今からでもできるはず。「けーらんねーらー」から始めてみよう。(辻本順子)
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