自学力―。自ら学ぶ力を言う。石垣市教育委員会は、自己肯定感を高め主体的に学習する自学力を育む教育を推進している。そのためには何が必要か。夢を実現したい、目標を達成したい。そんな目的意識を持つことであると言われる▼その象徴的な例が3月31日付9面に掲載されていた。松川恭也さんだ。小学校6年間皆勤だったが、中学校に入学すると学校を休んで遊びほうけるようになった▼中学3年時の担任がまとめた記録によると、市青少年センターで所長や相談員、支援員らと出会い、心と頭を耕したのだという。2年から少しずつ登校。数学のプリントで勉強するようになって楽しいと感じ始め、3年時には数学教諭になることを夢・目標に掲げた▼そこから劇的な変化を遂げる。自らもネットで2年間の学習の遅れを取り戻そうと勉強し、八重山高校に進学。琉球大学教育学部を受験して失敗、一浪して合格した▼浪人生活ではバイトをしながら自宅で自学。YouTubeの講義を検索して自分に合うチャンネルを活用した。勉強法は、最低合格点に足りないところを補うというもの。学習計画も論理的だった▼松川さんは「考える時間」が大切だと思っている。スマホやゲームから離れ、ぼーっとする時間も子どもたちには確保したい。(比嘉盛友)
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