石垣市は6日までに、ごみ収集日に出される資源ごみの中からアルミ缶など資源物の抜き取り禁止を規定する廃棄物処理条例の一部改正案を9日に招集する市議会6月定例会に提出することを決めた。飲料缶に加え、缶詰缶やスプレー缶などの缶類が4月から資源化されたことに伴い、市民から抜き取りに対して苦情が出ていることから、同課は「指導できる根拠をつくりたい」(慶田盛伸課長)と説明している。
廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正案は、市が指定する者以外の者が行う資源物の収集、運搬を禁止することを規定する内容。罰則規定は設けておらず、指導・勧告にとどめている。施行は11月1日を予定する。
4月の缶類の資源化以降、飲料缶以外の缶類も同一の透明袋に入れて出すようになった。これに伴い、同課には「アルミ缶だけを抜き取った後、袋を開けたまま放置し、散らかしている」との連絡が寄せられているほか、アルミ缶だけを抜き取って捨てたとみられるスチール缶やスプレー缶などの不法投棄物も確認されており、同課は「あくまでも条例は環境美化が目的。不法投棄の防止にもつなげたい」と話している。
一方、アルミ缶を収集、換金して生活費などに充てているお年寄りもいる現状について「お年寄りいじめが条例の目的ではない。友人、知人からもらって集めることまで禁止するものではない。環境美化の観点から議会でも議論してもらい、議論を踏まえて今後の施策を検討していきたい」としている。
市議会の議会運営委員会(仲間均委員長、委員10人)は9日、同条例改正案などを上程議案として取り扱うことを決めた。委員からは「条例提出までにはどのような対策をしたか。アルミ缶を生活の糧にするお年寄りがいる一方、アルミ缶は市の資源でもある。慎重に審議したい」との意見があった。