平得大俣への陸上自衛隊駐屯地建設に伴い石垣市に提出した景観法に基づく行為通知書に存在しないとされているサキシマスオウノキ約284本とアマミアラカシ約8812本を伐採樹木として記載している問題で沖縄防衛局は24日、八重山毎日新聞社に「調査したところ、現時点では確認されなかった」と回答した。本紙は7日から事実確認を求めていた。市都市建設課も24日の市議会一般質問で、防衛局から22日夕に説明があったとして同様の内容を説明した。防衛局は今後、市とともに改めて現地調査を行う。市は「来月以降にも実施できるよう調整したい」としている。
本紙や市への説明によると、行為通知書に記載した伐採樹木の概要は、樹木の伐採量を算出するため2018年度に実施した立木調査をもとに面積を換算して記載。今回、同調査で両樹種があったとされる地点付近を、環境コンサルティング業務の有資格者が調査した結果、確認されなかった。
立木調査が抽出調査で全数調査でないことなどを踏まえ、同局はサキシマスオウノキの群落などの存否を確認するため、あらためて全体の現地調査を行うとしている。市は関係各課を同行させる。
この調査とは別に植物などを調べた現況調査報告書(2019年3月)には両樹種の記載はなく、防衛局は行為通知書の作成に当たって、これを参考にしなかったとみられる。
一方、すでに終了している景観法に基づく景観形成審議会などの手続きについては同局も市も「行為通知書に記載された行為内容(伐採、移植)に変わりはなく、適切な手続きをとった」との認識を示した。