娘がラケット状の電子蚊取り器を買ってきた。夕方、玄関や窓の周辺に寄ってくる蚊を取るのに使うという。ボタンを押すと網に電気が流れ、触れた蚊を感電死させるしくみ。ナイスキャッチをもじって「ないす蚊っち」▼使い初めは要領を得なかったが慣れると病みつきになり捕獲量も増えた。おかげで夕方の草むしりは蚊に刺されることが少なくなった▼一方で梅雨時は夜中の蚊の羽音で起こされることが多くなった。蚊に起こされると、その後は寝付けずもんもんとして朝を迎えることになる▼昔、寝間で使っていた蚊帳を思い出し、取りつけや片づけは面倒だが取り寄せてもらうことにした。その間は蚊取り線香をたくことに。しかし、今度は臭いが気になり寝付かれない。蚊も煙の流れをかいくぐり、しつこく攻めてくる▼羽音を頼りに両手で闇を打つ。隣の部屋から娘が「お父さんの方が蚊よりもうるさい。蚊が見えなくては難しいと思うけど、ないす蚊っちを使ってみたら」と。早速試した。耳をすまし羽音が接近してきた方へさっとかざす。パチッという音に続いて焦げ臭い。成功▼蚊殺しは自分や縁者を守るための殺生で割り切ることができる。国の自衛権行使では個別的、集団的を問わず人殺しは避けられぬ。割り切れない人はどうするか。（仲間清隆）
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