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石垣島での体験に笑顔

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県の子どもの貧困対策事業で初めて行われた石垣島での集団宿泊学習で、バーベキューを楽しむ宮古島の子どもたち=27日夜、県立石垣青少年の家

 経済的に困難などの理由からさまざまな体験の機会が少ない子どもたちに学びを提供しようと、宮古島市の就学援助制度対象世帯の小中高生30人が27、28日、石垣島で1泊2日の集団宿泊学習を行った。本年度から始まった沖縄県の「青少年の家体験活動モデル事業」の補助を受け、島外へ出て宿泊を行う体験学習としては初めて実施された。27日夜、県立石垣青少年の家で行った野外炊飯には、石垣市が子どもの貧困対策モデル事業で運営する子どもの居場所「子どもホッ!とステーション」に通所する子どもたち二十数人が参加して先島交流も実現した。

 同事業は、県内の無料塾などに通う子どもたちに対し、県立青少年の家を活用した集団宿泊学習や自然体験活動を実施するもの。

 宮古の子どもたちは27日に野底マーペーと国立天文台を訪れ、28日はカヌー体験や島内研修視察を行った。

 27日夜に石垣島の子どもたちが参加した夕食では、年上の子が年下の子を世話し、次々と焼き上がる肉やそばに舌鼓を打ちながら会話を楽しんだ。

 食事の後は一緒に遊びやゲームで盛り上がった。

 宮古島の小学6年生の女の子は「初めて飛行機に乗った。仲良くなった子たちに手紙を書きたい」と話した。

 宮古青少年の家専門職員の屋嘉比邦昭さんは「飛行機に乗ったことのない子が大半。情緒不安定だった子が率先して役割を担っている」と成長ぶりに驚き、石垣市子ども支援コーディネーターの田渕三穂さんは「自己肯定感の低い子たちが宮古のお兄ちゃんお姉ちゃんたちに甘えられて安心して喜ぶ笑顔を久々に見た。経験値の低い子たちが外の世界へ目を向けるありがたい機会になった」と収穫を語った。

■郷友会や企業と民間の寄付相次ぐ

 宮古児童生徒の宿泊学習

 宮古島の子どもたちの集団宿泊学習は、県の補助金以外にも八重山在の宮古系企業や郷友会のほか、民間からの寄付で実現した。

 27日夜、県立石垣青少年の家を訪れた八重山ライオンズクラブの髙木正敏会長は「これをきっかけに宮古島と交流できれば」、㈲砂川冷凍総合食品の砂川美智子取締役専務は「郷友会でも協力を呼び掛けた。少しでも力になれれば」と話した。

 また石垣市の㈲ゆいまーる牧場(金城利憲代表)から焼き肉用の肉や牛汁約70人分が提供された。

 石垣市子ども支援コーディネーターの田渕三穂さんは「子どもの貧困に対する支援は官民連携で行うことが重要」と強調した。


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