第44回八重山古典民謡コンクール発表会(八重山毎日新聞社主催)が27日夜、石垣市民会館で開かれ、難関を突破した合格者86人が日ごろの稽古の成果を堂々と披露した。年々民謡愛好家のすそ野の広がりを見せている同コンクールにはことし4部門に212人が挑戦し、最優秀賞3人、優秀賞25人、新人賞55人、奨励普及賞3人の計86人が合格。斉唱の演目では洗練された舞踊が舞台を飾り、会場を訪れた観客は出演者一人一人に大きな拍手を送った。
同コンクールは、正確な八重山古典民謡の伝承普及を図るとともに、卓越した新進唄い手を発掘し、後進を育成するのが目的。
発表会は、合格者全員による「鷲ぬ鳥節」で幕開け。奨励普及賞の合格者が若々しい声で「繁昌節」「とぅまた節」を歌い上げ、新人賞合格者が「安里屋節」を斉唱。選抜者6人は「鳩間節」「千鳥節」「夜雨節」で伸びやかな歌声を披露した。外国人として唯一独唱を任された張裕祥(チャン・ユーシャン)さん(台湾)は「夜雨節」を滑らかに歌い、ひときわ注目を集めた。
優秀賞合格者は「蔵ぬぱな節」「前ぬ渡節」で声を合わせ、独唱では4人が「古見ぬ浦節」「小浜節」を熱唱した。
最優秀賞の3人は「たらくじ節」「くいがま節」「越城節」を斉唱。全員が独唱で「仲筋ぬぬべーま節」「しょんかねー節」「月ぬまぷぃろーま節」を情感豊かに歌い上げ、盛んな拍手を受けた。
舞台では中・高校生の合格者の地謡に合わせ、崎原チエ八重山民俗舞踊研究所の子どもたちが「桃里節」「川良山節」をかわいらしく繰り広げたほか、4舞踊研究所、9箏曲研究所、2太鼓道場、笛6人が協力し、舞台を盛り上げた。
発表会に先立ち、同日午後5時30分から同ホールで表彰式があり、本社の黒島安隆社長が合格者に賞状と盾を手渡した。