【小浜】ことし4月に完成した新小浜公民館の落成を記念し第13回小浜節大会(同実行委員会主催)が20日夜、同公民館で初めて開かれた。県内外から参加した20人が同島発祥で八重山を代表する民謡「小浜節」を情感豊かに歌い上げ、同島の野底忠さん(60)が最優秀賞に輝いた。優秀賞に東政太朗さん(26)=石垣市宮良=、優良賞に大石定治さん(38)=同大浜=が選ばれた。大会は2015年以来3年ぶりの開催。これまで同島で開かれるちゅらさん祭りの中で行われていたが、伝統芸能の継承とさらなる発展を願い、今回、初の単独開催となった。
小浜節は、同島に五穀豊穣(ほうじょう)をもたらした神を歌うもの。神行事「結願祭」や、同島の祝いの座の締めに歌われている。
大会は午後7時にスタート。大会長の花城正美公民館長は「五穀豊穣の喜び、神々への祈りの心が凝縮された小浜節は、島民の心の支えであり誇り。後世に正しく継承発展されることを切に願う」とあいさつ。
小浜島2人、石垣島13人、沖縄本島、黒島、波照間、大阪府、兵庫県からそれぞれ1人の計20人が、同歌の1番と2番を歌った。訪れた地域住民や観光客など約200人が一人一人へ拍手を送った。
審査は同島の地謡や実演家など4人が、声質や声量、声切りや声出しなどを審査。金城英皓審査委員長「稽古不足の人が目立つのでもっと技量を積んで。小浜島出身者や、若者にももっと参加してほしい」と講評した。
最優秀賞の野底さんは「皆の前で実力を出しきることはできたと思ったが、最優秀賞とは思っていなかった。小浜島で生まれ育ったことを誇りに思っており、小浜節は生活の一部。小浜節をこれからも大切に培い、後輩たちに引き継いでいきたい」と喜びを語った。
余興では小浜公民館婦人会が小浜節を踊り、第2回大会最優秀賞の大浜安則さんが同歌を歌い、最後は会場全体が小浜節で声を合わせた。