【与那国】9月定例与那国町議会(定数10)は17日、議長選挙13日目を迎えたが、この日も未決で閉会した。開会前に民放番組のワイドショーが一連の議長選の様子を放送したことから、町議会を批判する抗議の電話が町役場に相次ぎ、職員が対応に追われた。
これを受け、町側は午前10時の開会前に与野党全議員に全体会議を呼び掛け、寄せられた内容と職員の通常業務に支障を来している現状を伝えた。
町総務課と同議会事務局によると、抗議の電話は県外から5件。内容は「頻繁に訪れていたすてきな島だが、イメージが悪くなった」「町民が声を上げて解決すべきだ」「税金の無駄遣い」など。
町側は抗議によって職員が萎縮することを懸念しているという。与党側は再度、週明けまでの休会を要望したが、野党側が却下した。
議長選は午前10時から午後4時30分までの閉会まで4回行われ、初回は与党の前西原武三氏と野党の崎元俊男氏が最多の5票でそれぞれ同数となり、地方自治法に沿ったくじ引きで崎元氏が当選して辞退。その後は前西原氏と野党の田里千代基氏が同数でくじ引き後、前西原氏が2回、田里氏が1回当選したが、辞退した。議長選の総回数は62回。
閉会後、前西原氏は「(現状の)解決策はないが、与党内での調整が必要。テレビ放送を受け、町民や全国の皆さんには申し訳ない気持ち」と述べ、崎元氏は「野党が(議長を)取ること自体がおかしい。与那国の現状を理解していない一部報道には疑問を感じる。支持者の意向と野党の態度は変わらない」と話した。
町議会は18日も午前10時に開会して議長選を行う。