政府は13日付で、警察官や自衛官など危険性の高い業務に尽力した個人を対象とする「第31回危険業務従事者叙勲」の受章者を発表した。八重山関係では、瑞宝双光章に防衛功労で元陸上自衛隊2等陸佐の前田小五郎氏(61)=石垣市大川、鹿児島県大島郡瀬戸内町出身=と、警察功労で元沖縄県警視の浦底透氏(70)=竹富町小浜、同出身=が選ばれた。県内で34人、全国では3635人が受章。職業別では▽警察官1830人▽消防吏員620人▽刑務官等139人▽漁業取締職員3人▽海上保安官100人▽自衛官943人―だった。
■防衛功労・前田小五郎さん(61)
鹿児島県出身、石垣市大川在住
1976年に一般陸曹候補学生として武山駐屯地に入隊。以後36年間、滝ケ原駐屯地で現場勤務、留萌駐屯地でレンジャー教官、沖縄地方連絡部石垣出張所の所長、富士学校の演習場班長などに尽力し、2012年に2等陸佐として定年退職。
現役時代を振り返り「富士の樹海で亡くなられた方々の痛ましい遺体を運んだことや、レンジャー教官として後輩を育てた日々が心に残っている」と語った。
石垣出張所では2度、計6年間の勤務。任期中は地元のマラソン大会に多く参加し、退職後に移住した。叙勲には「自分の仕事を誠実にこなす、という気持ちで務めただけ。後輩たちも国民の負託に応えられるよう、それぞれの職務に励んでほしい」と話した。
■警察功労・浦底透さん(70)
竹富町小浜島出身、在住
1968年に20歳で沖縄県警に採用。本部の機動隊や鑑識課、各署の刑事課や地域課、生活安全課などに勤務し、2007年に豊見城署の生活安全課長、警視として退職。叙勲に「とてもうれしい。地域の皆さまの協力があったからこそ続けることができた」と感謝した。
宜野湾署勤務時代は地域の学校と協力し、非行少年たちの指導に奮闘。「更生した少年が署へお礼に来た時はとてもうれしかった」と振り返り目を細めた。八重山署には86年から3年間、刑事として勤めた。
現在は故郷の小浜島で地域のために尽力する日々。「今も警察官の頃と気持ちは同じ。これからもできる限り小浜駐在員に力添えし、地域の安全を守っていきたい」と話した。