9月定例石垣市議会(平良秀之議長)は11日、井上美智子、前津究、大濱明彦、長山家康の4氏が一般質問を行った。ゴルフ場付きリゾート施設について当局側は、事業者から2020年までに着工したい意向を伝えられていることを明らかにした。全小中学校普通教室へのクーラー整備は、21年度までの完了を目標に取り組む方針を示した。
ゴルフ場は、㈱ユニマットプレシャスが2015年10月、前勢岳北側での計画を発表したもの。長山氏が取り上げ、大得英信企画部長は「事業者は課題をクリアし、2020年までの着工にこぎ着けたい希望を持っている」と答弁、中山義隆市長は「本市として事業者と連携し、積極的に関与したい。早い着工に向けて庁内の動きを加速させたい」と述べた。
答弁によると、計画地にある畜産公社は耐用年数が過ぎているため、補助金返還などの問題はないという。
学校施設へのクーラー整備については宮良長克教育部長が「10月1日現在、普通教室への整備率は小学校53%、中学校71%で全体で58%。年度末までには小学校7教室、中学校6教室で整備を予定しており、21年度の整備完了を目標に取り組んでいく」と答弁した。
本年度末現在、未整備は100教室。整備費は約1億円と見込まれるため、年間3000万円の予算で3年かけて整備する予定。
学校施設の危険なブロック塀について宮良部長は「安全性に問題がある可能性のあるブロック塀は3200㍍余り。撤去して新たに工事をする場合、約1億6000万円必要になる」として危険性の高い箇所から対応する方針を示した。一般会計補正予算案に工事費を計上しており、本年度は交通量の多い産業道路に面した登野城小学校を優先する。
【9月定例市議会一般質問要旨】
▽北部振興
井上美智子氏=大野、大浦など集落から離れた地域には防災無線が届かない。
知念永一郎総務部長=デジタル波への移行に向け、本年度で実施設計を行う。大浦、大野地区で緊急防災行政情報を伝達する手段を検討する。
井上氏=北部地区の団地計画は。
安里行雄建設部長=時期は明示できないが、新川団地の建て替えが2021年度で完了する予定なので、並行して市民意向、利用動向を把握した上で早期の建設に取り組む。
▽新庁舎建設
前津究氏=入札が不調になった原因、3工区から1工区に変更した理由は何か。予定価格の増額はあるか。2020年度までに完成できるか。
知念総務部長=全国的な建築業界の人手不足で技術者の配置が難しいとのことだった。次回から1工区にまとめ、最新の単価に入れ替え、実勢価格で発注できるよう努力している。単価の見直しで予定価格の上昇が予想されるが、工区ごとの経費の縮減を図ることでバランスをとりたい。地元業者にも積極的に参加してもらい、地元の力を結集して臨んでもらいたい。次回の入札で決定すれば年度内着工になるので20年度内に完了する見込み。
漢那政弘副市長=緊急防災減災事業の適用が切れる20年度までに完了しなければならない。
▽児童生徒派遣事業
大濱明彦氏=予算規模や実施状況は。
宮良長克教育長=一括交付金を活用して助成事業を行っており、県内派遣は1人当たり8000円を上限、県外は2万1000円を上限としている。県代表合同練習に限り、渡航費に加え一泊4000円を上限に補助している。本年度は4277万円、年度末の時期にはふるさと支援寄付金100万円を計上する。
大濱氏=一括交付金が終わった後、どうするのか。
宮良部長=一括交付金を活用しているすべての事業について、どう財源を確保するか全庁的に検討する必要がある。
▽ホームページ(HP)
長山家康氏=市のHPについて使いづらいとの声が寄せられている。
大得英信企画部長=レイアウトから更新まで担当職員が行っており、脆弱(ぜいじゃく)なところがある。他の自治体も参考にしながら利便性の高いHPづくりに取り組む。ITに強い地域おこし協力隊の指導も仰ぎながら改善したい。
長山氏=市長の定例会見を動画で配信できないか。
中山義隆市長=その点も含めて改善したい。
▽真喜良14号線
長山氏=市道真喜良14号の整備は2013年度から17年度の予定だが、まだ完了していない。
安里建設部長=延長567㍍で17年度までに210㍍を整備した。本年度は320㍍を整備し、残りについても用地を取得し、年度内の完了を目指す。用地取得に不測の時間を要したため1年延長した。生活道路、通学路として利用されており、安全性・利便性を確保するため一日も早い全線開通を目指す。