名蔵初の取り組み「名蔵軽トラ市」(同公民館主催)の第1回が6日午前、名蔵公民館広場で開かれ、地域のお年寄りら住民7人が軽トラックなど5台で島野菜や苗木などを販売した。台風25号の影響で品薄となった野菜を求め、北部や市街地から多くの客が駆け付けるなど盛況で、約1時間半で完売状態に。「同市」は毎週土曜日午前9時から開催する。
初回は、多くの購入客が訪れたため、午前9時の開始時刻を若干前倒し。一束100円の島ネギ、一房300円の島バナナが1番人気で、約3分で完売した。
川平から訪れた大屋美晴さん(59)は「立派なトウガンを300円で買った。安い。また来たい」と満足げ。10時以降に立ち寄った客は「もう無くなったの」と残念そう。
「同市」では、高齢者にコミュニケーションの場を提供しようと、お年寄りが販売を担当。
農家の上地としさん(87)=名蔵=は、最初は少し緊張した様子だったが、「知人や友人も来てくれて、たくさんおしゃべりできてとてもうれしい」と笑顔を見せた。
上地正人公民館長は「販売しておしゃべりすることで、お年寄りにとってもいい刺激になると思う。収益なども公表して毎週継続するつもり。参加者を増やして盛り上げ、夏には名蔵のパインやマンゴーを並べたい」と目標を語った。
収益の一部は、地域の子どもたちの部活動派遣費や、名蔵御嶽の改築費、高齢者への報奨などに充てられる。
軽トラ市は、生産農家が軽トラの荷台に生産物を積んで販売する形態で、準備や撤収の手軽さ、地産地消のイメージから全国で広がっている。