八重山地区の相談業務や犯罪被害者支援などに携わる関係機関が支援スキルアップを図る「八重山地区相談業務関係機関・団体ネットワーク、被害者支援ネットワーク合同会議」(八重山署主催)が3日午後、同署訓授場で開かれた。同署で被害者支援を行っている臨床心理士の佐久川博美氏が講話し、約30人が、発達障害者を支援する際の対応や配慮などについて学びを深めた。
佐久川氏は発達障害を「生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさによって社会生活に困難が発生する障害」と説明し▽興味関心の狭さ▽読み書き計算の困難さ▽感覚過敏▽衝動性、多動性—など、人によってさまざまな特性があることを紹介した。
窓口対応の工夫として▽一度に多く説明しない▽メモや図など形に残す▽待ち時間は具体的に時間指定する—などアドバイス。また、発達障害が疑われる非行少年との接し方について「叱られてばかりで状態が良くなるケースはない。親しみと権威を持ちつつ、侵襲性のない関係を築き、安心できる場になってあげてほしい」と話した。
昨年同署に寄せられた相談は家族間トラブルやDVなどに関するものが多く、年間で428件。ことしは9月1日現在でこれを200件近く上回っており、インターネットを介した詐欺事案の相談も増えている。与那嶺一文署長は「適切な役割分担のもと、各組織が専門性を発揮しつつ連携し、被害者支援、犯罪の未然防止に努めてほしい」とあいさつした。